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【珊瑚HOナロー】 S.R.&R.L. CABOOSE No.556

▲仕上作例。中古の完成品を入手したものだが、メーカー製かどうかは不明。
発売初年:1980年
(広告:TMS394号['80年11月号]初出、同号製品紹介掲載/とれいん72号['80年12月号]製品紹介掲載)
発売当初価格
ベースキット:5,800円
塗装済完成品:14,000円
『ロコ一つにコンボカブース一つ、これで小鉄道の列車は出来上る』
TMS103号('57年1月号)の“プロトタイプガイド”に、このフレーズともども図面が載ったのが、まさしくこのカブースのプロトタイプである。
その図面から拵えたカブースをBタンクに牽かせ、“最小限の列車”を体現してみせたのは若き日の和久田恵一さんであったし(『変った車輛30題』に採録)、創刊から間もないころの『とれいん』の目次アイコンはこれのイラストだった。一定以上の世代のモデラーにとっては、米国型ナローに関心の無い人でも“何処かで見たことがある”車輛だったのではなかろうか。
実車はSR&RL No.556~558で1913年製。コンボカブースの名の通り、客室も備えた合造車であった。
模型は、乗工社が先鞭をつけたエッチング抜の折り曲げ構造を、珊瑚のナローでは初めて採用したことが特筆される。それゆえ接着剤での組立も可能で、その旨は説明書にも謳われている。
上回りに関しては、屋根がプレス、煙突とブレーキシリンダが挽物である以外はことごとくエッチング抜き。デッキの手スリやハシゴもエッチングなので扱いに気をつけないとすぐに曲がってしまうのが難点。これは後続製品の客車においても同様の弱点であった。
台車枠はドロップ製・ホイールベース14mmのイコライザー型で、こちらもやはり後発の客車やカブースに軒並み使われた代物。車輪はφ6.0のデルリンでピボット軸。
米国型に不可欠なデカールは、ナロー物のヘラルドに強い米国・ThinFilm社に特注したものがキットに同梱されていた(同社のデカールは、乗工社のリオグランデ・ミニランドシリーズでも特注品が用意されたが、珊瑚サンデーリバー・シリーズとは違い別売であった)。

▲斜め上から見る

▲床下を見る。ディテールはクイーンポストと挽物のブレーキシリンダーのみと到ってシンプル。

▲組立説明書。説明書と箱のラベルの品名表記は『S.R.&R.L. CABOOSE No.556-558』となっている。なお、サンデーリバー・シリーズの説明書は、蒸機No.18を除き英文表記のものが国内流通分にも用いられた。(所蔵:平田邦彦)


▲サンデーリバー・シリーズのキット箱は赤いエンボス紙貼り。このサイズはすべてのトレーラー共通だった。

▲組立作例。ハシゴをプレス製のものに換えている。(製作:小埜寺哲雄)
【再生産品】
2014年9月発売
価格:ベースキット 8,400円
キットの内容は、従来とまったく相違ないといってよい。

▲キット箱

▲キット内容

▲組立説明書
uprdate: 2016.5.5
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