Entries
【珊瑚HOナロー】 井笠客車
■井笠客車

発売初年:1974年
(広告:TMS313号['74年7月号]発売予告、314号[74年8月号]初出)
発売当初価格
ベースキット:2,380円(1982年再発売時2,800円)
未塗装完成品:不明(TMS318号[1974年12月号]広告に告知は有)
塗装済完成品:4,650円(1976年発売)
沼尻シボフ・ボハフに次いで登場した日本型軽便ボギー客車。
プロトタイプは、井笠鉄道の開業時に導入された日本車輛製の木造ダブルルーフ客車(ケホロハ1・2/ホハ3~6→ホハ1~6)だが、その中でも窓割が均等で後年平妻化改造されたホハ5が最も近いといえる。
上回りの構成は、沼尻客車と同様ほとんどのパーツをプレス加工に拠っている。
組立てのキモはやはりダブルルーフの屋根廻りだが、モニター部の前後方向の位置は下屋根の切れ込みによってしっかり決まるので、モニターの垂直と上屋根の位置決めにさえ気をつければよい。むしろ、帯板の割ピンとソロバン玉状の挽物を自分で組むトルペードベンチレーターが意外と手こずる。
台車はWB13mmの同社製アーチバーのため、実車のそれより若干大きいが、実物がWB1,066mm(1/87換算で約12mm)なので、沼尻客車ほどに違和感はない。ただし、ボギーセンターの位置は実物より奥まっている。おそらく台車の回転時にステップに当たるのを避けるためだろう。台車枠は当初はドロップ製であったが、1982年の再生産時にはコストダウンのためかホワイトメタル製に変更されていた。
カプラーも沼尻客車同様ボディマウントでM1.4ネジにより固定するかたち。特に指定はないが、N用ケーディー(マグネマティック)や各社の朝顔タイプが適合する。
井笠鉄道の客車は後年乗工社から各種製品化されたこともあってか、残念ながらこの製品は1987年・2001年の同社日本型HOナローの一斉再生産からも漏れたまま今日に到っている。

▲組立説明書。最初はパラフィン紙に印刷されたものだったが(左/所蔵:平田邦彦)、1982年の再生産分では文面は変わらぬもののPPC複写(右)となる。『~コッペルが引いて走るとすてきですね!』などといったフレンドリーな文面が時代を反映していて微笑ましい。


▲パッケージの例。上:初期の塗装済完成品の木目柄箱(所蔵・撮影:菊池俊夫)、下:1982年再生産時のベースキットの金箱。

▲斜め上から見る。組み上がりは簡素ながらもカッチリとした印象。今でもディテールアップに充分耐え得る出来。

▲裏側を見る。キングポストは沼尻シボフ・ボハフ同様割ピンの利用。現物は初期製品とおぼしき組立品で、車輪もストレート軸である(後年段付軸化)。

▲床板を外した内側。モニタールーフ部分の構造がよく判る。

▲塗装済完成品の例(※台車はノンオリジナル)。塗装の色調は、説明書に『窓まわりがオレンジ、上下がグリーン』と実車に対して概ね正しい認識の記述があるにもかかわらず、それとは似て非なる明るめなものであった。(所蔵・撮影:菊地俊夫)
<※写真はすべてクリックで拡大>
upload:2010.5.23
update:2011.2.01 (組立説明書画像差替)

発売初年:1974年
(広告:TMS313号['74年7月号]発売予告、314号[74年8月号]初出)
発売当初価格
ベースキット:2,380円(1982年再発売時2,800円)
未塗装完成品:不明(TMS318号[1974年12月号]広告に告知は有)
塗装済完成品:4,650円(1976年発売)
沼尻シボフ・ボハフに次いで登場した日本型軽便ボギー客車。
プロトタイプは、井笠鉄道の開業時に導入された日本車輛製の木造ダブルルーフ客車(ケホロハ1・2/ホハ3~6→ホハ1~6)だが、その中でも窓割が均等で後年平妻化改造されたホハ5が最も近いといえる。
上回りの構成は、沼尻客車と同様ほとんどのパーツをプレス加工に拠っている。
組立てのキモはやはりダブルルーフの屋根廻りだが、モニター部の前後方向の位置は下屋根の切れ込みによってしっかり決まるので、モニターの垂直と上屋根の位置決めにさえ気をつければよい。むしろ、帯板の割ピンとソロバン玉状の挽物を自分で組むトルペードベンチレーターが意外と手こずる。
台車はWB13mmの同社製アーチバーのため、実車のそれより若干大きいが、実物がWB1,066mm(1/87換算で約12mm)なので、沼尻客車ほどに違和感はない。ただし、ボギーセンターの位置は実物より奥まっている。おそらく台車の回転時にステップに当たるのを避けるためだろう。台車枠は当初はドロップ製であったが、1982年の再生産時にはコストダウンのためかホワイトメタル製に変更されていた。
カプラーも沼尻客車同様ボディマウントでM1.4ネジにより固定するかたち。特に指定はないが、N用ケーディー(マグネマティック)や各社の朝顔タイプが適合する。
井笠鉄道の客車は後年乗工社から各種製品化されたこともあってか、残念ながらこの製品は1987年・2001年の同社日本型HOナローの一斉再生産からも漏れたまま今日に到っている。

▲組立説明書。最初はパラフィン紙に印刷されたものだったが(左/所蔵:平田邦彦)、1982年の再生産分では文面は変わらぬもののPPC複写(右)となる。『~コッペルが引いて走るとすてきですね!』などといったフレンドリーな文面が時代を反映していて微笑ましい。


▲パッケージの例。上:初期の塗装済完成品の木目柄箱(所蔵・撮影:菊池俊夫)、下:1982年再生産時のベースキットの金箱。

▲斜め上から見る。組み上がりは簡素ながらもカッチリとした印象。今でもディテールアップに充分耐え得る出来。

▲裏側を見る。キングポストは沼尻シボフ・ボハフ同様割ピンの利用。現物は初期製品とおぼしき組立品で、車輪もストレート軸である(後年段付軸化)。

▲床板を外した内側。モニタールーフ部分の構造がよく判る。

▲塗装済完成品の例(※台車はノンオリジナル)。塗装の色調は、説明書に『窓まわりがオレンジ、上下がグリーン』と実車に対して概ね正しい認識の記述があるにもかかわらず、それとは似て非なる明るめなものであった。(所蔵・撮影:菊地俊夫)
<※写真はすべてクリックで拡大>
upload:2010.5.23
update:2011.2.01 (組立説明書画像差替)
- 関連記事
-
- 【珊瑚HOナロー】 製品一覧表 (2010/07/22)
- 【珊瑚HOナロー】 ナロー用給水塔 (2010/06/06)
- 【珊瑚HOナロー】 井笠客車 (2010/05/23)
- 【珊瑚HOナロー】 木製運材台車(II) (2010/05/10)
- 【珊瑚HOナロー】 木製運材台車(I) (2010/05/09)
スポンサーサイト
0件のコメント
コメントの投稿
0件のトラックバック
- トラックバックURL
- http://kurikuraz.blog43.fc2.com/tb.php/18-7241624d
- この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)