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シリーズ連載-珊瑚模型店のHOナロー製品小史

珊瑚模型店といえば、16番を中心とした真鍮製バラキットのメーカーとして名高い一方で、わが国における9mmゲージナロー(HOn2-1/2)の車輛製品のパイオニアでもあり、一時期はOナローも含めて熱心に製品化に取り組んでいました。
また、最初のHOn2-1/2製品である“ダックス”に数年ほどさきがけて、すでに1/80スケールで沼尻鉄道などの車輛素材エッチング板を何種類かリリースしていたことも記憶しておきたい事実です。
最近ではナローの新規製品はすっかり鳴りをひそめてしまったものの、一部の製品は、販売ルートがメーカー直販(店頭・通販共)とごく一握りの小売店・通販ウェブサイトに限られるとはいえ、今も時折再生産がなされて入手が可能です。とくに沼尻鉄道のボギー客車(シボフ・ボハフ)は、35年以上にわたるロングセラーとなっています。
一部の方はご存知かと思いますが、昨年(2009年)の暮れに、二玄社から『写真と図面で楽しむ鉄道模型』という書籍が出版されました。この本には“珊瑚模型店45年の歴史”という副題も付されており、実際に内容は珊瑚模型店製品オンリーで、他に小林利夫社長へのインタビューや、今まで発売された製品のリストなど同店の歴史の理解に役立つ内容も盛り込まれています。
しかし、製品の紹介に関しては1/80・1/87・1/45の国鉄型蒸機が主体で、それ以外の車種に関する紙幅は少なく、HOナローについては一葉の写真すら掲載されていないのが、ナローファンとしてはじつに惜しいと感じるところです。珊瑚のナローは、何より先にも触れたとおり、わが国のナロー製品のパイオニアという忘れがたい功績があるのですから。
そこで、これを機に、同社のナロー製品を、記録も兼ねて、写真と解説により個別にご紹介してみようと思い立ちました。ただ、われわれクリクラだけですべての製品を網羅できているわけではないため、この先、読者の皆様からも情報や資料のご協力をいただきながら内容の充実を図ってまいりたく、宜しくお願い致します。
本来であればOナローも併せてご紹介したいところですが、筆者の守備範囲の関係もあるため、まずはHOナローに限って話を進めさせていただきたく存じます。
★当連載各記事における、製品の組立説明書や店頭配布物の画像のアップロードにつきましては、珊瑚模型店の小林利夫社長からお許しを頂いております。また、記事の作成に当たっては、知己のモデラーの皆様から色々と製品現物・資料のご協力を頂いております。この場を借りて御礼申し上げます。
記事中の画像は、特記以外は筆者(cjm)の所蔵・撮影となります。
(文責:cjm)
●今後、以下の内容を、順不同ではありますが順次アップしてゆく予定です。
(ハイパーリンクを貼ってある項目はアップロード済です)
・製品一覧表
・1/80エッチング板
・沼尻ディーゼル/ボギー客車/ガソリンカー
・住友セメントDL/鉱車
・1/87エッチング板
・HOn2 1/2機関車(加藤3t)
・東洋活性白土専用線2号機
・R.G.S. GALLOPING GOOSE No.5
・R.G.S. GALLOPING GOOSE FREIGHT
・ダックス
・ダックス(I)
・ダックスⅡ
・沼尻シリーズ
・DC12(I)
・DC12(II)
・ガソ101(I)
・ガソ101(II)
・シボフ・ボハフ
・サハ(I・II)
・セタ
・ワフ
・ラッセル
・住友シリーズ
・住友セメントB型ディーゼル(日立10t)
・住友人車
・住友鉱車
・その他日本型
・木製運材台車(I)
・木製運材台車(II)
・井笠客車
・サンデーリバー・シリーズ
・No.18
・RAIL CAR No.4
・CABOOSE No.556
・CABOOSE No.551
・PARLOR CAR No.9
・COACH No.20
・CONBINE No.15
・R.P.O. BAGGAGE(POSTAL No.6)
・B&H TANK CAR No.22
・SNOW PLOW No.513
・BOX CAR No.67
・ストラクチャー等
・SSコントローラー
・スペースパネル
・ナロー用給水塔
・ナロー用ターンテーブル(2003)
・オート三輪(ダイハツCO/ミゼット)
・パーツ
upload:2010.4.11
update:2012.1.17
【珊瑚HOナロー】 沼尻サハ(I・II)
■沼尻サハ(I)

発売初年:1975年
(広告:TMS326号['75年8月号]発売予告、329号['75年11月号]初出、340号['76年10月号]製品紹介掲載) )
発売当初価格 ベースキット:2,200円
プロトタイプはガソ101の増結用として作られた半鋼製の2軸客車。
最初1931年にサハ8が岩崎レール工業で、追ってサハ9・10の2輛が1933年に新潟鐵工所で製造されている。側面の扉は向かって左側に点対称の配置になっており、妻面には貫通扉を有する。他のボギー客車に比べて軽量なことから、晩年に到るまで当初の目論見通り主にガソの相棒として重宝されていた。
(I)は車体のみのキットとなっており、足回りにはPECOのNゲージ2軸貨車用台車(WB=20mm・車輪φ6)の別途購入が指定されている。同様のPECO台車の利用は、初期の乗工社の2軸車においても定番であった。
キットはプレス主体で、外板・屋根・貫通扉ステップが表面エッチング加工。外板についてはシルヘッダーの表現にとどまり、実車にあるリベットは省略されている。
特筆されるのは、屋根のカンバス張りをエッチングによって表現していることだ。このような素材のモールドによるカンバス屋根の表現は、一時期のプラ製品(例:トミックスオハ35系初期製品)でも見ることができる。
内板は扉下半の窪みをプレスで表現。側板の内板は台車・床板をビス留めするためのステーが大きく張り出す形で折り曲がっているが、これが邪魔をして、組立後に窓セル貼付などの室内加工がしづらいのが難点。
全体のイメージとしては実車に比べて腰高かつ屋根がやや深すぎる感があり、実車の再現にこだわる向きにはその辺の克服もポイントであろう。

▲斜め上から見る。エッチングによるカンバス張りを表現した屋根が特色。妻板のブレーキハンドル柄は実車同様片側のみ。
厚板をプレスで打ち抜いただけのベンチレーターはシボフと共通パーツ。

▲裏側を見る。足回りは、別売のPECO製2軸貨車用台車をヘッド径の大きなM1.4真鍮ビス2本で側板内板に床板と共締め。

▲初回ロットの組立説明書。

▲パッケージは小豆色の箱に品名スタンプ捺しのタックラベル。このタイプ以外の箱は存在しなかった模様。
■沼尻サハ(II)(現行・改良再生産品)

▲現行品(II)の組立例。素組みだが窓を一部開放状態に加工している。朝顔カプラーはモデルワーゲン製を使用。(製作:松村秀俊)
発売初年:1987年
(広告:TMS491号['87年9月号]初出)
価格 ベースキット:3,600円(1987年)→5,800円(2001年)
1987年に他車種の一斉再生産の際に、沼尻のサハも一部改良がなされた。
上回りはそのままだが、足回りはキットに同梱となり、台車は新規に用意されたロスト製の軸受をビス止めする方式となっている。
同時に床板のビス孔位置と、床板を支持する側板内板の形状も変更されており、室内加工はしやすくなった。

▲足回りはロスト製の軸受を床板にネジ留めするスタイルに。車輪はピボット軸のφ6デルリン。

▲キットの内容。軸受・車輪の含まれるトータルキットとなった。

▲(II)の組立説明書。全体の組立図は(I)のものを流用している。

▲1987年発売時の青フタ・黄色身の箱。(所蔵・撮影:倉林 実)

▲現行(2001年~)のキット箱。

▲(I)と▼(II)の車体パーツ比較。床板の孔位置と側板内板の形状の違いに注目されたい。
※(I)の画像は『鉄道模型趣味』340号[1976年10月号]・製品の紹介(P.32)より転載 <(株)機芸出版社承認済>


▲現行品(II)のキットをベースに、リベット打ちのシルヘッダーや手スリなどの追加工を行った作例。(製作:矢島穂高)
upload:2012.1.18
update:2012.4.13 (箱の画像を追加)

発売初年:1975年
(広告:TMS326号['75年8月号]発売予告、329号['75年11月号]初出、340号['76年10月号]製品紹介掲載) )
発売当初価格 ベースキット:2,200円
プロトタイプはガソ101の増結用として作られた半鋼製の2軸客車。
最初1931年にサハ8が岩崎レール工業で、追ってサハ9・10の2輛が1933年に新潟鐵工所で製造されている。側面の扉は向かって左側に点対称の配置になっており、妻面には貫通扉を有する。他のボギー客車に比べて軽量なことから、晩年に到るまで当初の目論見通り主にガソの相棒として重宝されていた。
(I)は車体のみのキットとなっており、足回りにはPECOのNゲージ2軸貨車用台車(WB=20mm・車輪φ6)の別途購入が指定されている。同様のPECO台車の利用は、初期の乗工社の2軸車においても定番であった。
キットはプレス主体で、外板・屋根・貫通扉ステップが表面エッチング加工。外板についてはシルヘッダーの表現にとどまり、実車にあるリベットは省略されている。
特筆されるのは、屋根のカンバス張りをエッチングによって表現していることだ。このような素材のモールドによるカンバス屋根の表現は、一時期のプラ製品(例:トミックス
内板は扉下半の窪みをプレスで表現。側板の内板は台車・床板をビス留めするためのステーが大きく張り出す形で折り曲がっているが、これが邪魔をして、組立後に窓セル貼付などの室内加工がしづらいのが難点。
全体のイメージとしては実車に比べて腰高かつ屋根がやや深すぎる感があり、実車の再現にこだわる向きにはその辺の克服もポイントであろう。

▲斜め上から見る。エッチングによるカンバス張りを表現した屋根が特色。妻板のブレーキハンドル柄は実車同様片側のみ。
厚板をプレスで打ち抜いただけのベンチレーターはシボフと共通パーツ。

▲裏側を見る。足回りは、別売のPECO製2軸貨車用台車をヘッド径の大きなM1.4真鍮ビス2本で側板内板に床板と共締め。

▲初回ロットの組立説明書。

▲パッケージは小豆色の箱に品名スタンプ捺しのタックラベル。このタイプ以外の箱は存在しなかった模様。
■沼尻サハ(II)(現行・改良再生産品)

▲現行品(II)の組立例。素組みだが窓を一部開放状態に加工している。朝顔カプラーはモデルワーゲン製を使用。(製作:松村秀俊)
発売初年:1987年
(広告:TMS491号['87年9月号]初出)
価格 ベースキット:3,600円(1987年)→5,800円(2001年)
1987年に他車種の一斉再生産の際に、沼尻のサハも一部改良がなされた。
上回りはそのままだが、足回りはキットに同梱となり、台車は新規に用意されたロスト製の軸受をビス止めする方式となっている。
同時に床板のビス孔位置と、床板を支持する側板内板の形状も変更されており、室内加工はしやすくなった。

▲足回りはロスト製の軸受を床板にネジ留めするスタイルに。車輪はピボット軸のφ6デルリン。

▲キットの内容。軸受・車輪の含まれるトータルキットとなった。

▲(II)の組立説明書。全体の組立図は(I)のものを流用している。

▲1987年発売時の青フタ・黄色身の箱。(所蔵・撮影:倉林 実)

▲現行(2001年~)のキット箱。

▲(I)と▼(II)の車体パーツ比較。床板の孔位置と側板内板の形状の違いに注目されたい。
※(I)の画像は『鉄道模型趣味』340号[1976年10月号]・製品の紹介(P.32)より転載 <(株)機芸出版社承認済>


▲現行品(II)のキットをベースに、リベット打ちのシルヘッダーや手スリなどの追加工を行った作例。(製作:矢島穂高)
upload:2012.1.18
update:2012.4.13 (箱の画像を追加)
【珊瑚HOナロー】 沼尻 ラッセル
■沼尻 ラッセル

▲組立作例(製作:新井一雄)
発売初年:1987年
(広告:TMS493号['87年11月号]初出)
発売当初価格
ベースキット:3,600円(2001年 5,400円)
1987年に他車種の再生産と同時にお目見えした製品で、セタのバリエーション的な内容ではあるが、沼尻シリーズとしては最新の車種。
プロトタイプは、1950年にセタのうちの1輛の改造によって生まれた除雪車。改造後も従来の車番(=セタ36)をそのまま名乗っていた。
キットも実物と同様セタをベースに、車体上半のキャブやスノウプロウなどを追加で取り付ける形となっている。
ラッセル車用に新規に起こしたパーツは、キャブは主にエッチング加工のプレス抜、スノウプロウと背後のバケットはエッチング抜、スノウプロウ中央部上端がホワイトメタル製。
実物に比べると、キャブ前面の切妻化(実際には折妻かつ屋根の先端が流線形)やフランジャーの省略など割り切った簡略化が図られている。こだわる向きは、実物の資料を参考に適宜手を入れてやるとよいだろう。

▲後方斜め上から見る。キャブ後妻は前妻とパーツを共通化しており、実物(窓がなく右側に出入口有り)とは異なる。

▲裏側。床板はカプラー切り欠きが片方だけの専用品になっている。

▲キットの内容

▲組立説明書。説明書では品名が『簡易ラッセル車』となっている。

▲現行のキット箱。
upload:2012.1.17

▲組立作例(製作:新井一雄)
発売初年:1987年
(広告:TMS493号['87年11月号]初出)
発売当初価格
ベースキット:3,600円(2001年 5,400円)
1987年に他車種の再生産と同時にお目見えした製品で、セタのバリエーション的な内容ではあるが、沼尻シリーズとしては最新の車種。
プロトタイプは、1950年にセタのうちの1輛の改造によって生まれた除雪車。改造後も従来の車番(=セタ36)をそのまま名乗っていた。
キットも実物と同様セタをベースに、車体上半のキャブやスノウプロウなどを追加で取り付ける形となっている。
ラッセル車用に新規に起こしたパーツは、キャブは主にエッチング加工のプレス抜、スノウプロウと背後のバケットはエッチング抜、スノウプロウ中央部上端がホワイトメタル製。
実物に比べると、キャブ前面の切妻化(実際には折妻かつ屋根の先端が流線形)やフランジャーの省略など割り切った簡略化が図られている。こだわる向きは、実物の資料を参考に適宜手を入れてやるとよいだろう。

▲後方斜め上から見る。キャブ後妻は前妻とパーツを共通化しており、実物(窓がなく右側に出入口有り)とは異なる。

▲裏側。床板はカプラー切り欠きが片方だけの専用品になっている。

▲キットの内容

▲組立説明書。説明書では品名が『簡易ラッセル車』となっている。

▲現行のキット箱。
upload:2012.1.17
【珊瑚HOナロー】 沼尻ワフ
■沼尻ワフ

▲ワフ 組立作例(※引戸上辺のドアレールはノンオリジナル/製作:新井一雄)
発売初年:1981年
(広告:TMS407号['81年10月号]初出、408号['81-11]製品紹介掲載)
発売当初価格
ベースキット:2,400円(1987年2,800円、2001年4,000円)
塗装済完成品:不明
セタと同時に製品化された沼尻鉄道の有蓋緩急車。
プロトタイプは1916年に4輛が服部商店で作られ、そのうちワフ2・3が最後まで残ったが、晩年はあまり活躍の機会はなかったようである。
実物は足回りがセタと似ているようでいて、軸距が長く逆に台枠全長は短い。しかし、この製品ではセタと共通のドロップ製台枠を用いているため、車体もやや長めにモディファイされており、印象は実物よりむしろスマートになっている。
上回りは屋根がプレス、側板・妻板はエッチング抜の板の折り曲げで、車掌室の窓枠を兼ねた内板と組み合わせてハコにする。この手の折り曲げ構成の車体では妻面のセンターに来ることが多い板の継ぎ目が、側引戸の下にうまく隠れる設計となっているのが特徴。
側引戸はドロップ製、妻板の補強や側引戸のレールは真鍮角線の利用である。

▲斜め上から見る。

▲裏側を見る。台車枠はセタと共通のため、実物より車体がやや長めになっている。

▲キットの内容。

▲1981年発売当初の組立説明書。(所蔵:山岸達雄)
1987年の改良再生産分から、説明書はセタと共通になった。セタの項参照。

▲1987年再生産時の青フタ・黄色身の箱。(所蔵・撮影:倉林 実)

▲現行のキット箱

▲組立・塗装作例(製作:松村秀俊)
upload:2012.1.17
update:2012.4.13 (説明書・箱の画像を追加)

▲ワフ 組立作例(※引戸上辺のドアレールはノンオリジナル/製作:新井一雄)
発売初年:1981年
(広告:TMS407号['81年10月号]初出、408号['81-11]製品紹介掲載)
発売当初価格
ベースキット:2,400円(1987年2,800円、2001年4,000円)
塗装済完成品:不明
セタと同時に製品化された沼尻鉄道の有蓋緩急車。
プロトタイプは1916年に4輛が服部商店で作られ、そのうちワフ2・3が最後まで残ったが、晩年はあまり活躍の機会はなかったようである。
実物は足回りがセタと似ているようでいて、軸距が長く逆に台枠全長は短い。しかし、この製品ではセタと共通のドロップ製台枠を用いているため、車体もやや長めにモディファイされており、印象は実物よりむしろスマートになっている。
上回りは屋根がプレス、側板・妻板はエッチング抜の板の折り曲げで、車掌室の窓枠を兼ねた内板と組み合わせてハコにする。この手の折り曲げ構成の車体では妻面のセンターに来ることが多い板の継ぎ目が、側引戸の下にうまく隠れる設計となっているのが特徴。
側引戸はドロップ製、妻板の補強や側引戸のレールは真鍮角線の利用である。

▲斜め上から見る。

▲裏側を見る。台車枠はセタと共通のため、実物より車体がやや長めになっている。

▲キットの内容。

▲1981年発売当初の組立説明書。(所蔵:山岸達雄)
1987年の改良再生産分から、説明書はセタと共通になった。セタの項参照。

▲1987年再生産時の青フタ・黄色身の箱。(所蔵・撮影:倉林 実)

▲現行のキット箱

▲組立・塗装作例(製作:松村秀俊)
upload:2012.1.17
update:2012.4.13 (説明書・箱の画像を追加)
【珊瑚HOナロー】 沼尻セタ
■沼尻セタ

発売初年:1981年
(広告:TMS407号['81年10月号]初出、408号['81年11月号]製品紹介掲載)
発売当初価格
ベースキット:1,800円(1987年2,000円、2001年2,800円)
塗装済完成品:不明(1982年頃存在?)
沼尻鉄道にとっては硫黄の積み出しに欠かせない無蓋車『セタ』だが、製品化されたのは動力車・客車に対しワンテンポ遅れて1981年。後述の『ワフ』と同時に発売された。
実物は大正時代の開業時より延べ数十輛が存在。すべて自社工場製、荷重は3t積で、一般的な“味噌汁”軽便のそれとくらべると小振りな貨車である。
製品は真鍮ドロップとエッチングを主体に構成。上回りは側板がドロップ、床板と妻板が一体のエッチング板で、妻板にはリベットを浮き上げたエッチング抜きの帯板を4本ずつ別貼りする。ブレーキハンドルは洋白線にエッチング抜きのL字型取っ手を組み合わせる。
台車はWB14.5mmで、側枠は台枠と軸受をドロップ製で表現。車輪はφ4.2のデルリン製・ピボット軸である。
側枠の固定方法は、当初は床板に直接ハンダ付だったが、1987年の再生産品からはプレス製の枕梁(説明書上では“台枠取付板”)に組み付けたのち床板にビス止めするように改められた。キットにも枕梁組付けのためのアルミ製治具が同梱されるようになる。
なお、珊瑚のナロー製品においては、1980年発売開始のサンデーリバー・シリーズから車体の基本部分にエッチング抜き処理のパーツを積極的に用いるようになっており、翌年発売であるこのセタやワフもその例に漏れない。

▲斜め上から見る。

▲上から。台車とカプラーの固定ビスは床板の上に突き出すため、空荷の場合はカムフラージュが必要。

▲裏側を見る。車輪は小径だが、運材台車用よりは若干大きなφ4.2である。

▲現行のキットの内容

▲1981年発売当初の組立説明書。テキスト皆無の内容は当時の乗工社製品の説明書にも通ずるセンス。
このときは台車枠を直接床板に接着する構造だったことが判る。(所蔵:倉林 実)

▲台枠の取付方法が改良された1987年以降の組立説明書。セタとワフが一枚にまとめて収められている。

▲1981年発売当初のキット箱。金色のフタに黒い身の箱で、ラベルには“珊瑚軽便群”なるフレーズが入っていた。(所蔵・撮影:倉林 実)

▲現行のキット箱。

▲組立・塗装作例。カプラーはモデルワーゲン製朝顔を使用。(製作:松村秀俊)
upload:2012.1.17
update:2012.4.13 (説明書・箱の画像を追加)

発売初年:1981年
(広告:TMS407号['81年10月号]初出、408号['81年11月号]製品紹介掲載)
発売当初価格
ベースキット:1,800円(1987年2,000円、2001年2,800円)
塗装済完成品:不明(1982年頃存在?)
沼尻鉄道にとっては硫黄の積み出しに欠かせない無蓋車『セタ』だが、製品化されたのは動力車・客車に対しワンテンポ遅れて1981年。後述の『ワフ』と同時に発売された。
実物は大正時代の開業時より延べ数十輛が存在。すべて自社工場製、荷重は3t積で、一般的な“味噌汁”軽便のそれとくらべると小振りな貨車である。
製品は真鍮ドロップとエッチングを主体に構成。上回りは側板がドロップ、床板と妻板が一体のエッチング板で、妻板にはリベットを浮き上げたエッチング抜きの帯板を4本ずつ別貼りする。ブレーキハンドルは洋白線にエッチング抜きのL字型取っ手を組み合わせる。
台車はWB14.5mmで、側枠は台枠と軸受をドロップ製で表現。車輪はφ4.2のデルリン製・ピボット軸である。
側枠の固定方法は、当初は床板に直接ハンダ付だったが、1987年の再生産品からはプレス製の枕梁(説明書上では“台枠取付板”)に組み付けたのち床板にビス止めするように改められた。キットにも枕梁組付けのためのアルミ製治具が同梱されるようになる。
なお、珊瑚のナロー製品においては、1980年発売開始のサンデーリバー・シリーズから車体の基本部分にエッチング抜き処理のパーツを積極的に用いるようになっており、翌年発売であるこのセタやワフもその例に漏れない。

▲斜め上から見る。

▲上から。台車とカプラーの固定ビスは床板の上に突き出すため、空荷の場合はカムフラージュが必要。

▲裏側を見る。車輪は小径だが、運材台車用よりは若干大きなφ4.2である。

▲現行のキットの内容

▲1981年発売当初の組立説明書。テキスト皆無の内容は当時の乗工社製品の説明書にも通ずるセンス。
このときは台車枠を直接床板に接着する構造だったことが判る。(所蔵:倉林 実)

▲台枠の取付方法が改良された1987年以降の組立説明書。セタとワフが一枚にまとめて収められている。

▲1981年発売当初のキット箱。金色のフタに黒い身の箱で、ラベルには“珊瑚軽便群”なるフレーズが入っていた。(所蔵・撮影:倉林 実)

▲現行のキット箱。

▲組立・塗装作例。カプラーはモデルワーゲン製朝顔を使用。(製作:松村秀俊)
upload:2012.1.17
update:2012.4.13 (説明書・箱の画像を追加)

